建築主の不安の一つに、「木材の割れ」があると思います。

ちょっと説明します。

木材は水分量が多いので、乾燥すると収縮しひび割れが生じます。

これ、当たり前の事です。

そこで「背割り」を入れます。


背割り  聞いたことがあるでしょうか?

背割りとは、木材が乾燥収縮してひびが入るのを防ぐためにあらかじめ入れた「割れ目」のことを言います。

構造材として用いる「心持ち材」であれば乾燥して割れるのは通常の現象であり、

構造強度には影響しないと、されていますが

それでも、ひびをできる限り抑えるために「背割り」を入れるわけです。

それでも収縮は免れませんので、乾燥すると割れ目が開き、見た目、とても不安になると思いますが

実は耐力の低下は殆どないのです。


ここでもう一つ出てきた「心持ち材」

心持ち材とは、木の中心部を使ったもの、逆に木の外側を使ったものを「心去り材」と言います。

心持ち材は赤い色をしており、構造材として用いられ、心去り材は白い色で見た目が奇麗なので

化粧材として使われます。

構造材としての「心持ち材」に入るひび割れは構造上問題ない割れですが、

構造的に問題となるのが「貫通割れ」してしまった場合です。

その名の通り、貫通するので上から下までひびが入ってしまった場合を言います。


ちなみに、木材だけでなくコンクリートも乾燥すると収縮します。

コンクリートに入っている目地も、ひび割れを防ぐための物であり、

考え方は「背割り」と同じなのです。